読んだ本06-WHAT IF?
What If?: Serious Scientific Answers to Absurd Hypothetical Questions (English Edition)
- 作者: Randall Munroe
- 出版社/メーカー: John Murray
- 発売日: 2014/09/04
- メディア: Kindle版
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小さい頃に「空想科学読本」という本が流行った。
ウルトラマンが本当に居たらどうなりますか、という様な内容だったと思う。それの英書版だと思ってもらうと話が早い。実際内容の中には「ヨーダはどれくらいのフォースを出せるか」なんてのもあるし。少し付け加えるなら作者(ランドール・マンローと読むのだと思う)が大学卒業後にNASAでロボット工学に取り組んだ後に漫画家になった不思議なオッサンだということ。さらに付け加えるなら空想科学読本の作りが「科学的な事が良く分かって居ない状態の小学生が読者」なのに対して、筆者のウェブページにお便りを寄せてくる少し変わった(そして茶目っ気のある)科学ギーク達だということだと思う。
和訳本も出ているはずなので内容を楽しみたい方はそちらを。英語の勉強が、なるかはさておきしたい方は元の方を。僕は英語の勉強にかけらも情熱を持っていないし、同じ内容なら和訳本が好きなんだけれど買ったときにはまだ和訳本が出ていなかった(まさか和訳されるとも思っていなかった)。
中でも大好きだった質問と回答を一つだけ。意訳なので、そのつもりで。
Q.「SATの受験生が全員、全ての選択問題を適当に答えたらどうなる?満点は何人?」
A.「ゼロ人」
SATというのは、日本でいうところのセンター試験(共通一次)のこと。
数学、読解、ライティングの3部門に分かれていて各44問、67問、47問あるそうだ。そしてどれも選択肢は5つ。これで全てが奇跡的にあう確率は(10^68)だそうで、全米にいる400万人の17歳が毎日100万回受験して(SATは一応何度でも受けられる)それを50億年続けて0.0001%とのこと。
センター試験の選択肢や教科数はもうあまり覚えていないのだけれど、大学への適正試験という観点から無視していいくらいの誤差だと考えると「ああ高校の時に思い描いていた夢物語は本当に夢物語だなあ」という納得が。現実問題そういえばボクは「社会」という教科が死ぬほど嫌いで、本番に問題を一切見ずに近くに座っていた学校で地理が一番得意だったK君に終わるスピードだけでは負けまいと終わらせた結果、24点だった。いやはや確率ってのは割とあてになる。あと、その時のボクよ。お前は何をやっているんだ。度胸は買ってやらんでもないが、将来に対する考えが浅すぎたなあという話。
この話の締めくくりは筆者の最高な言葉で終わる。これまた意訳で失礼。
「今年SATを受ける全ての人の幸運を祈る。けれど運だけでは十分ではない。」
身に沁みます。あと、この章は特別で他の章は基本的に真面目にバカな受け答えをしていて感動とか全く無いです。