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観た映画04-百円の恋

 

百円の恋 [DVD]

百円の恋 [DVD]

 

 安藤サクラが好きだ。邦画界ではぶっちぎりで。
姉の安藤桃子監督と、というか一家総出で作った感のあった0.5ミリも良かったけれど、こちらはそれを超えて良い。

ストーリーは実家に引きこもっていた自堕落な主人公が出戻りの妹と喧嘩をして家を出ることになり、コンビニでバイトしつついつも観ていたボクサーの兄ちゃんと良い感じになったら捨てられ、見てろよテメエということでボクシングを始めたところなんだか色々上手く回り出した。という話。

まああらすじなんていいじゃないっすか。良いんですよ。そんなハリウッドじゃねえんだから。持論ですが邦画の脚本はゆるゆると進むべきだし、明確な獲得目標なんてのは無くていい。特に日本はそういう文化ですし、人の本質とはそうなんですから。上で書いたあらすじは間違ってい無くて、それだけ聞くと酷く陳腐で退屈に見えるんだけどいい話ですから。たった百円という陳腐さが良いんです。この話を良い脚本にできるのが日本映画なんですから。

で。ストーリー(脚本では無い)が特別では無い代わりに何が良いかというと。
もうこれ安藤サクラの試合シーンですよ。これが格好良い。
レイジングブル並に良いです。

強い女フェチなんですが、強けりゃ良いって話じゃなくて、綺麗な女が返り血一つ浴びずに無双するみたいなのには欠片も興味が無い。ああいうのはアメコミにでもさせておけば良い。弱い開始点から強さを獲得していき、汚くズタボロになりながらも勝つ執念に燃える女というのが好きなのです。過程などは実はどうでもよろしい。単純に弱かった過去、という存在が必要なのです。

いやはや、久しぶりにDVDが欲しい。